さよならがんじがらめ

イギリスにMBA留学中の広告クリエーターの日々のこと

カルチャーギャップ!?

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英語の日常会話力向上のために、最近は大学主催のConversation Clubに顔を出しています。毎回1つのテーマについて、ゲストからのちょっとしたプレゼンがあった後に、みんなでそれについておしゃべりするという趣旨の集まりです。

 

今週のテーマは「ラマダン」。大学内でイスラム教徒の支援をしている方から、なぜ、この時期に断食するのか?などのプレゼンがあり、その後、会話はカルチャーギャップの話になりました。確かに日本とイギリスには文化の違いはある。でも、自分にとってはほとんどが想定内で「きっとイギリスではこうなんだろうなぁ」って思っていたことが「やっぱりそうだった」り「そうでもなかった」りしている程度のことで「驚いた!」みたいな話はあまりなく、たいしたエピソードを披露することはできませんでした。逆に日本に1ヶ月留学していたイギリス人の学生さんからすると日本のヘコヘコとやたらとお辞儀をするカルチャーが新鮮で面白かったそうです。

 

中国人はカルチャーギャップの話をする時も自分が中心。こんな時はこうして欲しいのにそうしてくれなかった的なエピソードばかり。それはカルチャーギャップなのか?

 

そして、ラマダン含めムスリムの人の話はついつい話半分に聞いてしまいます。失礼だなとは思いながらも、そもそも分からなすぎて頭に入ってこないのです。中東に訪れたことがないこともあり、イメージすら湧かないのです。きっといつか興味が出て来て向き合うことがあるかも知れないからその時に、、、という言い訳のもとスルーしてしまっています。

 

しかし、そのタイミングが突然やってきます。

 

娘のクラスメイトのイラン人のお母さんに、娘を学校に送った際に話しかけられました。うちの奥さんと仲良くしているとは聞いていたので、それ自体、驚くことではありません。「明日の夜、うちに来れるか?」と。娘のクラスメイトの弟くんの誕生日会をするのだそうです。それは光栄なお誘い、家族ぐるみの付き合いは歓迎なので「是非いきます!」と即答。

 

誕生日会だし、家にお呼ばれだし、ちょっとしたプレゼントと手土産くらい持って行こうと妻と相談。「イランって言ってたよねぇ?」「たしかそうだったと思う」「イランってイスラム教?」「でも、ママさん布をかぶってないどころか髪の毛紫に染めたり、結構胸元あいてるよ」「Wikipediaには90%がムスリムって書いてあるよ」「じゃイスラム教かぁ、そしたらお酒は飲めないってことだね」

 

こっちで友人の家に行く時はたいていワインを手土産に持参するけど、今回はダメそう。無難にオレンジジュースとフルーツを手土産にすることに。プレゼントは、こっちで人気の我が家の子供たちも大好きなペッパーピッグというキャラは「豚は良いの?悪いの?」問題で却下。粘土でアイスクリームを作るオモチャにしました。

 

さて、指定の6時に到着。「ほう、ここで靴を脱ぐのかな?」日本と同じで玄関で靴は脱ぐ様子。リビングにはママさんと娘の友人と今日の主役の弟くん。銀のお盆に紅茶とナッツとデーツが出て来ました。「おう、なんか中東っぽいぞ」しばらくリビングで遊んでいましたが、他に誰か来る様子もなさそう。「今夜は我が家だけ呼ばれたのかな?」と思っていると、2階からごく太眉毛のパパさんが降りてきました。「お客さん来てるのに遅くない?」握手すると「ビール?」と。バドワイザーで乾杯。「あれ?お酒飲んで良いの?」

 

7時、7時半と別のご家族がやってきました。「あ、うちだけじゃないんだ?でも、遅くない?」新しくやってきたご家族もイランの方々。ちょっと年配のおじさんに「日本から学生しに来ています」と言うと「ホントですか!?」となんと日本語が返ってきました。これにはびっくり。なんでも24年前に5年ほど日本に住んでいたことがあるそうです。このおじさんはウイスキーを持参。「あ、やっぱりお酒飲むんだ」。ウイスキーをストレートでご馳走になって、ほろ酔いになって来た頃「日本では何やってたんですか?」と聞くと、それまで上機嫌だったおじさんが斜め上を見て少し困った顔。「あれ?まずいこと聞いちゃったかな?」と思っていると、くいっとウイスキーを飲み干して、鋭い眼光とともに一言「ドラッグディーラー」。

 

虚をつかれ、出て来た言葉は「Really!?」。「いやいや、ここで偏見ありそうな態度を見せてはならない」と急な笑顔を作るも、逆に変だったかも知れない。ひとりあたふたしてる自分のことは気にせず、おじさんはゆっくりと話を続けます。「あの頃は悪い人間だったけど、今はもうそんな人間じゃないんだよ」「14年前に私は変わったんだ」14年といういやに具体的な数字が気になり好奇心に負けてしまいました。「何があったんですか?」すると返ってきたのは、またも想定外の返答。「自分はムスリムでクリスチャンではないんだけど、14年前のある夜、突然、ジーザスがやってきて自分の中に入っていったんだ。あの日から自分はまったく違う人間に生まれ変わったんだ」「お、おう」

 

「あぁ、そういえば昔、渋谷のセンター街には偽造のテレホンカードを売ってるイラン人がたくさんいたなぁ、このおじさんはいわゆるそういう人だったんだなぁ」その後は、おじさんと好きな日本食の話や、福島の地震の話などをしました。BGMにはおじさんが大好きだという坂本冬美吉幾三スマホから流しながら。

 

するとケーキが出て来ました。ロウソクを指してHappy Birthday to Youを歌って写真を撮って、、、「ん?さっきからナッツしか食べてないけどご飯はナシってこと?」「遅れて来たご家族の方々は夕飯食べてから来たってこと?」とか思っていると、いったんケーキはキッチンに下がります。

 

2歳になったばかりのおネムの主役を寝かしつけにママさんは2階へ。そして、しばらくすると、良い匂いとともに台所から大量の料理が出て来ました。このエントリのトップの写真がそのイランのおご馳走。時刻は9時前。「遅くない?主役はご飯なし?」イランの料理は、どこかで見たことあるようで、どれもちょっとずつ新鮮な味で良い経験でした。その後、ケーキを食べ10時過ぎに解散。子どもたちは必死に起きてる感じでした。

 

まとまりきってないけど、いろいろカオスだったなぁ。驚きがたくさんあったなぁ。きっと、こういうのがカルチャーギャップっていうんだな。もちろん彼らは1サンプルでイランのカルチャーを代表しているわけじゃないんだけれど、一言で言うとオーガナイズされてない感じな印象。でも、みんなとってもよい人たちで、文化はちがってもこうやって仲良くなれるのって良いことだなぁと、空きっ腹にウイスキーでフラフラになった頭でしみじみと思いました。