さよならがんじがらめ

イギリスにMBA留学中の広告クリエーターの日々のこと

書く、書く、飲む、書く、書く、飲む

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「明るいうちから飲むビールはうまいなぁ」

って東京でサラリーマンをしながら思っていました。そこには、決して悪いことではないにせよ、明るいうちから飲んじゃってる俺という背徳感も込められていたように思います。

 

イギリスでは、そんな背徳感なんてなく陽気に明るい中でビールを飲んでいます。それは、学生だから、日が長いから、もあるけれど、みんな明るいうちから飲んでいるからです。見ているとむしろ、夜に暗いバーで飲むお酒よりも、太陽の下オープンテラスで飲むお酒の方が好まれているようです。週末に限らず多くの人たちが街中でお酒を飲んでいます。

 

イギリス人とビールの数字

ちょうど修士論文用に調べていた資料から引用すると、今、イギリスは一人当たりのビール醸造所の数が世界で一番多いそうです。上の写真のカウンターの後ろ、黒板の下あたりに黒い段ボールがたくさん積み重なっていますが、これ全部ビールです。地元の小さなクラフトビール醸造所から樽に詰めることなく箱詰めで届くのです。写真では見えませんが、箱には注ぎ口がついています。地元の出来たてビールを飲むのは楽しいですが、個人的には「ぬるい」ことと「ロゴデザイン」で選ぶことが出来ないので、少し上級感がありあます。

 

もう1つ別のデータでは、日本やアメリカほかの主要国に比べてイギリスはOn-trade(バーやレストランで飲む)がOff-trade(スーパーなどで買って家などで飲む)より圧倒的に多いです。日本では「家飲み」なんて言葉が流行ったりしましたが、イギリス人は外で多く飲みます。ということは当然、お酒に使うお金も多くなりますよね。そんなイギリス人のメンタリティ、自分には心地良いです。

 

修士論文執筆の日々

さて、いよいよMBAも3学期が始まっています。3学期は、授業や試験はなく、自己管理で締め切りまでに修士論文を書き上げるのがミッションです。とは言え、完全フリーではなく、担当のスーパーバイザーとの進捗を知らせるミーティングが定期的にあります。

 

2学期の課題の1つに、修士論文のプロポーザル(計画草案)の提出がありましたが、それもディスティンクション(優秀)をもらえたし、このまま書き上げれば卒業できないことはないと思います。割と多くのクラスメイトたちが「卒業できればOK」と旅行を楽しんだり、締め切りより相当早く切り上げようとしているようです。これは各授業のエッセイ課題も同様で、散々遊んで締め切り直前の2、3日で一気に全部書き上げてパスもらえたよみたいな人たちが多くいます。

 

人それぞれの価値観だけど、自分はこれができません。まず、年齢なのか2、3日ぶっ続けで書き続ける集中力がないというのが物理的な理由。それ以上にメンタルな理由として「より良い」ものを目指してしまうことが、なぜか避けられません。他の日本人の学生からは「目指すゴール設定が高い」とよく言われるので日本人の特性と言うわけではないでしょう。自分の性格半分、広告代理店の習性が半分かと思います。プレゼン日までに少しでも良いアイディアを絞り出し、資料のフォントの級数などデザインにも細かくこだわりクライアントに自分たちのできる限りベストな提案をすることが日常でした。(それが長時間労働などの問題につながったという話はここでは置いておきます)また、実際の広告制作が始まると納品日までに、少しでもクウォリティをあげようという提案の際と同じ心理に加えて、例えば自分が作ったTVCMが多くの人に見られる、YouTubeなどにアーカイブされれば後世まで残ると思うと手を抜くことはできません。

 

論文にも同じメンタリティが働き、ちょっとでも内容を膨らませるには?ちょっとでも読み手の人を楽しい気持ちにさせる文章や構成は?と、1段落書くのに数時間をかけてしまいます。MBAの学生の修士論文が世の中に公表されることは、そう多くはないと思いますが、それでも自分が精魂込めて書いたものとして妥協をしたくないのです。

 

そんな日々の中で、大好きな時間が写真のようなパブでビールを飲む時間です。朝から資料を調べ、書き、ランチを挟み、また書き、そして夕方になるとビールを飲みながら、次の段落の構成を考えるのです。構成を考える際のノートは、やはり日本語になってしまいますね。そして、夜にその考えた構成を元にまた書く。こう書いてしまうと、そんな毎日つらく退屈そうと自分でも思いますが、これが割と嫌いじゃないのです。