さよならがんじがらめ

イギリスにMBA留学中の広告クリエーターの日々のこと

しなやかに歩きだそう

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自分がいちばん好きな声のボーカリストが、自分のいちばん好きなアーティストの歌をカバーした。これ以上はない最高に贅沢な贈り物。

 

イギリスにいても、Coccoのオフィシャルアカウントから配信開始のお知らせがtwitterに投稿され、クリックしたらiTunesですぐに「Good-Bye」が聴ける。テクノロジーに感謝。

 

IMPULSE - hide TRIBUTE

hideさんの没後20年のタイミングで発売された新しいトリビュートアルバムが発売されたようです。hideさんのトリビュートアルバムは過去にも何枚か出ていてオフィシャルのものはもちろん全て聴いていますが、割と好きです、トリビュートアルバム。当然、、、なのかな?、、、原曲に優っているトリビュートは今のところありません。でも、そのアーティストが「どんな想い」で参加し「どうしてその曲」を選び「どうしてそういうアレンジ」にしたのかを夢想するのが楽しいのです。

 

自分はアーティストではないけれど、hideさんを尊敬し影響を受けたアーティストが、コピーに近い感じで原曲の良さを崩さない方向にトライする気持ちはすごく分かります(いいぞ!BREAKERZ!)。逆にhideさんと大した接点はないけれど、参加の機会をもらったアーティストが自分たちのスタイルを全面に押し出したアレンジにしてくるのも分かります(SEXFRiEND、嫌いじゃないです!)。そして、hideさんと実際に接点があったり、当時、競い合っていたような大物のアーティストは、hideさんが聴くことを想定し「ニヤリとさせてやろう」と策を練っているように感じます(最高です!Dragon Ash!陽はまたのぼりくりかえす!)。そして、それらが意外な化学反応を見せたり、から回ってしまったり、そんなことを考えながら聴くのが自分なりのトリビュート盤の楽しみ方です。

 

Coccoとhideさん

なので、アーティストが寄せるコメントは空想の精度をあげる重要な情報源になる大切なものです。今回、Coccoはこんなコメントを寄せていました。

会うことが叶わないなら、

じゃあ せめて、

あなたのうまれた街で、

あなたが見上げていていたであろう

空の下を歩いて、

そして見つけた小さなスタジオで、

あなたが表紙の

音楽雑誌なんかを

久々に読み返しながら、

あなたの歌を歌いました。

横須賀にて

コメント自体が詩のような、映像の浮かぶ素敵な文章。でも、ここで重要なのが「久々に読み返しながら」という部分。自分が知る限り、Coccoがhideさんに対してコメントをしている記憶はなく、2人の関係性が2人のファンである自分にはまったく分からなかったのです。

 

hideさんがCoccoのファンだったのは、有名な話。当時、彼のホームページ内の「hideの独り言」のコーナーに物凄い熱量で、数回にわたってCoccoへのラブレターかのような楽曲に関する思いが綴られていました。まだCoccoのデビュー前のことです。それを読むと即、渋谷のタワレコへ向かいインディーズ版のCD「Cocko」をゲット。「CDが500円!?安っつ!」と思ったのをよく覚えています、隔世の感ありですね。数日後には、タワレコの屋上で行われたCoccoの無料初LIVEにも参戦。自分のホームページにライブの感想を書くと、hideさんからは「奥田民生さんね、男じゃなくて生まれるね。でも、ライブいいなあ。どうだった?どうだった?」とメールが届きました。「バックバンドが奥田民男さんのバックもつとめるDr.Strangeloveの方々で初ライブながらもバックで支える安定感があり」みたいな話を書き、誤字を指摘されたという話です。

 

我ながら20年以上前の細かい話をよく覚えてるなと思いますが、こういうエピソードって覚えているものですよね。誤字を見つけろほどちゃんと自分の文章を読んでくれていることがとにかく嬉しかったんだと思います。当時、フジロックのイエローモンキーのファンの騒動の話なんかもhideさんは独り言にコラムとして書いていたので(なんて先進的な!今、考えるとすごい!)「ライブにはhideさんのコスプレの人もけっこういましたよ」と報告すると「う~ん、それは困ったあ」なんて返事が来ました。でも、自分も最初はそのコスプレの人たちと同じでhideさんがこんなに薦めるから買って見に行ってしていたと言うのが正直なところ。

 

ただ、ステージを見ると圧倒され、その後は自分もすっかり虜に。イギリスに出国直前、武道館には2日とも(デビュー20周年記念!)参戦しました。少し話はそれたけれど、要するにCoccoが売れた(あえてゲスい言い方ですが)きっかけはhideさんが広告塔として機能したことだと自分は思っているのです。もちろんあの奇跡のような歌声と才能は絶対的なもので、きっかけなんてなくても売れたとも思うし、逆にきっかけがなく埋もれている才能も多くいると思うと、Coccoの今があるのはhideさんのおかげと言っても語弊はないんじゃないかなとも思うわけです。もちろんこれは自分が勝手に思っているだけで、それをCocco本人がどう受け取り、hideという存在をどう捉えていたのかというのは1ファンとして興味があった部分でもあったのです。

 

そこに来てのこのメッセージです。Coccoがhideさんの雑誌のインタビューを読んでいて、その雑誌を今でも持っていて、それを久々にまた読んだ、、、偉大な2人のアーティストの双方向の関係があったと思うと、胸が熱くなります。この1曲は、自分にとってこの20年の記念碑のような1曲にも思えてきます。

 

写真は大西洋を経て横須賀の海にもつながっているであろうアイルランド東側の海岸です。